謎の説「体を冷やす食べ物・温める食べ物」

体を冷やす食べ物

著者:プロフィール
管理栄養士、美容栄養学専門士、美容食インストラクター 美容栄養学のプロとして、モデル育成、講演会講師、テレビ出演など、活動は多岐にわたる 美容栄養学のプロ育成の為に美容栄養学専門士資格認定講座を開設
日本ビューティーヘルス協会 会長
一般社団法人健康栄養支援センター 代表理事

池上淳子

女性の深刻な冷え性や低体温

女性は冷え性が多く、悩んでいる方がたくさんいます。
冬だけではなく、夏であってもクーラー冷えなどに悩んだり、低体温で不調が起きやすかったりします。
だからこそ、体を温めると言われている食べ物を積極的に摂って、体を冷やすと言われている食べ物を避けようとする方が多くいます。
けれど、栄養学で体を冷やす、温めるという根拠を示す研究はありません。
では、その根拠に迫り、人間のメカニズムから読み解いていきましょう。

冷え性

旬の食べ物、地域性

「旬の野菜には、その季節に体が欲する栄養素が含まれるので、旬の野菜を食べると体に良いのです。」とよく言われます。
ところがこの説には実は科学的な根拠は一切ありません。
薬膳の考え方で「冷やす、温める」、という分け方がありますが、明確な研究結果や論文がある訳では無く、未解明なものです。

説:旬の食べ物

「夏野菜は体を冷やす」
「冬野菜は体を温める」
とよく言われます。

夏の食べ物は、暑さでのぼせ上がる体をクールダウンさせるように働き、冬の食べ物は寒さから体を守る為に、体を温めるように働く・・

旬の食べ物

説:地域の食べ物

「温かい地域で収穫されるものは身体を冷やす」
「寒い地域で収穫されるものは身体を温める」
とよく言われます。

例えば南国の果物などは体を冷やす働きがあり、寒い国の食べ物は温める働きがある・・
砂糖の原料は主に「さとうきび」と「てんさい」です。
さとうきびは沖縄が主な産地です。てんさいは北海道が主な産地です。
この極端さからか、さとうきびは暑い地域で採れるため、体を冷やす、てんさいは寒い地域で採れるため、体を温める、といいます。
けれど、これも根拠がありません。
実際、冷やす、温めるというのも具体的な生理現象は不明です。

・・その時期、季節、地域に必要な栄養素を含む証拠はありません。

言えるとすればこんなコト

南国の果物や夏野菜はカリウムが多く含まれます。
また水分量が多いものです。
すると、利尿効果が促進されます。
36℃程の水分を数百cc尿で失うという事は、熱が外に逃げる事を指しています。
また、カリウムはナトリウム(塩)の排泄作用があります。
発汗させるときにナトリウムが排泄されますので、そこでも一躍かっているのではないかと思われます。
汗も尿と同じく、熱を外へ放出するものですので、一時的なクールダウンは見込めるかもしれません。

夏野菜

カラダには恒常性がある

冷蔵庫などで冷やしたキュウリ、冷えたスイカ、冷やしおでんのダイコン等を食べた直後に体の感覚がさっぱりして、スッと汗がひき、一時的に「冷えた」ように感じるのは、キュウリやスイカやダイコンは水分が多い為だと思われます。
つまりこれらを食べる行為は、冷たい水を飲むのにほぼ等しい行為だと言えます。
一時的に冷えたとしても、暫くすると、人間の恒常性で、平常値の体温へ戻ります。

水分補給

旬の野菜や果物は経済的で美味しい

「その季節に体が必要とする栄養素」とは、結局、何なのかはよく分からない未だ謎の説です。しかし、その根拠はありませんが、旬のものを食べる事は推奨しています。

旬の野菜を食べることは経済的ですし、季節感を感じられ、風情があり、植物が育つサイクルを学べるなど知的好奇心を育むメリットもあります。
一方で、昔から人類は、旬の野菜を漬物や乾燥、砂糖煮、瓶詰めなどで保存して、別の季節に食べることで、その食品の新たな美味しさを引き出したり栄養を補ったりしてきました。
日本でも、夏に収穫した野菜を乾燥させたり、塩漬けなどにして保存して真冬にも食べていました。
旬の野菜を収穫してすぐ食べることだけではなく、こうした、旬以外の時期においしく食べて健康になる知恵も大切に伝承したいものだと思います。

旬の野菜を食べる

体を冷やす食べ物、温める食べ物

明確に言える食べ物が一つずつあります。

体を冷やす食べ物:唐辛子等に含まれている辛味成分のカプサイシン
体を温める食べ物:生姜(加熱したもの)に含まれている辛味成分のショウガオール

上手に活用する価値有りです。

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