代謝とは 身体のしくみ

女性が食事を摂る

プロフィール
著者:池上淳子/美容食インストラクター、管理栄養士
池上淳子

代謝とは

よく「代謝が良い」「代謝が悪い」などを耳にすることがありますが、そもそも代謝とは一体どういったことを言うのでしょうか。

代謝とは、生命の維持のために有機体が行う外界から摂り入れた無機物や有機化合物を素材として行う一連の化学反応のことです。
つまり生きていく為に、行っている体内でのあらゆる働きのことを指します。
私たちは体内のことは目で見える訳ではありません。
けれど、常に絶えず化学反応が繰り返されているのです。
これは、寝ている間も同じく、動いています。

異化と同化

代謝には異化と同化の2つの過程があります。

異化(catabolism)

異化は複雑な有機物をより単純な化合物へと分解して、生命活動に必要なエネルギーを取り出すことを言います。

大きい物質→小さい物質に分解する

エネルギーは生命活動に欠かせません。
脳や内臓、筋肉など身体を動かしたり、体温を保ったりするためにエネルギーを利用します。

エネルギー
エネルギーは生きていく上で必要

同化(anabolism)

同化は身体を合成することで、より小さい分子から、より大きい分子をつくり出す合成作用を言います。

小さい分子をいくつも合体させていき、大きい分子をつくる

摂取した食物などを体内で分解して栄養素とし、それを各組織に送って、それぞれ合成して形づくります。脳、内臓、血液、筋肉、皮膚、髪、体脂肪などを作る作用のことです。
人間の体は約37兆個の細胞からできており、1秒間に約500万、1日では約5000億個の細胞が新しく生まれ変わっていると言われています。
このような、いわゆる新陳代謝は、「身体を合成する代謝(同化作用)」の1つです。

女性の筋肉
筋肉など体をつくること

代謝の種類

基礎代謝・活動代謝・食事誘導性熱代謝の3種類があります。

代謝の種類と割合
1日のエネルギー消費の割合

基礎代謝とは

基礎代謝とは、生命を維持するために最低限必要なエネルギーの事をいいます。
体を横にしてまったく体を動かしていなくても、「体温を保つ」「呼吸をする」「心臓を動かす」など様々な生命活動をするために常に使っているエネルギーの事です。
1日に消費するエネルギーの約60%以上になります。

基礎代謝が高いとは

基礎代謝は、寝ていても使うエネルギーで、1日に消費されるエネルギーの約60%と多くを占める代謝になります。その為、基礎代謝が高くなると、食べたものがよりエネルギーとして消費される確率が上がり、太りにくい体質になります。
基礎代謝が低い人は多くのエネルギーを必要としない為、余ったエネルギーは中性脂肪を作りやすくします。逆に基礎代謝が高い人は多くのエネルギーを常に必要とする為、食べた栄養素はどんどんエネルギーとして消費していきます。
エネルギーは車でいうガソリンのような役割です。
車では燃費が良い方がお得ですが、飽食時代の現代では、燃費が悪い方が、どんどんエネルギーを消費して、痩せやすくなります。

基礎代謝の内訳

骨格筋22% 肝臓21% 脳20% 心臓9% 腎臓8% 脂肪組織4% その他16%

基礎代謝の内訳
単位:%

基礎代謝を上げる方法

基礎代謝を主に担っているところが、骨格筋、肝臓、脳です。
肝臓と脳は自分自身の意思で鍛え上げる事は出来ませんが、骨格筋(筋肉)であれば、筋肉量を上げる為の筋力トレーニングをする事で筋肉量が増えて、基礎代謝が高くすることができます

体内の筋肉量を上げるには、強い負荷をかけた運動を週3日程行う事が有効です。
脂肪燃焼する為にはウォーキング、軽いランニング、ダンスなどの有酸素運動になりますが、筋トレのような無酸素運動を行う事により、筋肉量が増えて、基礎代謝が上がり、痩せ体質を作り上げる事が可能です。

筋力トレーニング
筋力トレーニングを行い基礎代謝を上げる

活動代謝(運動代謝)

基礎代謝以外は、活動代謝が約20%です。
主に有酸素運動などを行うと、活動代謝が上がります。
また、特別な運動をしなくても、日常生活で動いたり、運動をしたりなど、体を動かすことによってエネルギーを消費することで高めていく事が可能です。
通勤でエスカレーターを使わずに、階段を利用する。
自動掃除機を使用しない。
お風呂に10分浸かる。
など、生活の中でできることはたくさんあります。
便利な器具ばかりを利用して、手も足も動かさないような生活をするのではなく、わざとでもあらゆる身体の部位を動かし、負荷をかけるように心がけましょう。

有酸素運動
活動量を上げると活動代謝が上がる

食事誘発性熱産生(DIT)

食事を摂ると、消化吸収の過程で一部が熱となって消費されます。
そのため、食事をした後は安静にしていても代謝量が増えます。
DITによる消費エネルギーは、

糖質6%、脂質4%、タンパク質30%

100kcalの糖質(約25g)、脂質(約11g)、タンパク質(約25g)を摂取した場合、
糖質は6kcal、脂質は4kcal、タンパク質は30kcal

をDITによって消費します。

正にタンパク質は燃えメシです。
それだけタンパク質は消化の過程が複雑で多くのエネルギーが必要なのです。
風邪をひくなど、体調が弱っている時、焼き肉を食べようとは思わないですよね。
お粥やうどんなど、体に優しい食べ物が食べたくなります。

なぜか・・

焼き肉を食べると、余計に多くのエネルギーを消費してしまうことをカラダの本能はわかっているのです。
体調が悪い時は、免疫細胞が菌やウイルスと戦って、体を守る働きを思い切り行っています。
そこに多くのエネルギーが必要なので、余計なエネルギーは使わないようにします。
だから、体は安静にしていると治りやすくなります。

焼き肉を食べる
焼き肉を食べる=元気な証拠

新陳代謝とは

「新陳代謝」とは、生化学における「代謝」とは異なる意味合いで使われます。生化学の「代謝」は「生体内で生じる化学変化・エネルギー変換」のことですが、「新陳代謝」は「細胞の生まれ変わり」を意味する表現です。体は常に新しい細胞が生まれ、古くなった細胞は分解されます。アミノ酸などは一部リサイクルされますが、残りは排泄されます。

新陳代謝
新陳代謝

体内の全ての細胞は生まれ変わりをしています。
細胞分裂を繰り返しているのです。
肌は28日(20代の場合)、赤血球は120日、骨は数年かかります。
そうして不要になった細胞を代謝物や老廃物といった表現で言われています。
体内の一番大きな排泄作業は便ですが、便中には、多くの代謝物が含まれています。
色は黄色~茶色をしていますが、あれば、不要になった血液中の赤血球の代謝物です。
血液は赤色をしていますが、かさぶたなどになれば茶色になりますよね。
目で見える代謝物と言えるかもしれません。

最後に

生きている、ということは、常に生命活動が体内で行われているということです。
それは目でみることもできませんし、感じることも難しかったりします。
意識して私たちができることは何か、、
それは「食事」「運動」「排泄」などが主になります。

体がスムーズに働く為に必要な食生活や生活習慣を意識して過ごすことが健康を維持するために大切といえます。

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