【美肌&食】顔のたるみ予防と改善方法(2)食事・エクササイズ編

たるみ予防

著者:池上淳子
管理栄養士/美容食インストラクター
日本ビューティーヘルス協会 会長
池上淳子

前編「【美肌&食】顔のたるみ予防と改善方法(1)目&口まわり編」では、目や口まわりのたるみの原因と、生活習慣の中で見直していくべき改善方法を見てきました。こちらでは、脂肪によるたるみの原因、エクササイズでのたるみ予防、たるみを予防する美容栄養学・食事について解説します。

脂肪によるたるみ

バッカルファットとメーラーファット

頬にはバッカルファットメーラーファットという2つの脂肪細胞があります。元々、赤ちゃんから若年までは、こめかみ辺りに存在して、頬に膨らみを与えています。赤ちゃんの顔は、丸々とふっくらした印象がありますが、これは脂肪細胞が大きいからです。

脂肪によるたるみ

この2つに脂肪は顔の筋膜や靭帯(リガメント)により支えられていますが、加齢により、支えている筋膜や靭帯が緩くなってしまい、頬の下部に落ち込んできます。こういった老化現象により、頬の下部に落ち込んだ脂肪は、その重みで皮膚がたるみます。特にフェイスラインのたるみを起こし、老け顔になったり、輪郭が大きくなったりしてしまいます。

メーラーファットは主にほうれい線の原因に、バッカルファットがほうれい線とマリオネットラインの原因となると言われています。若年時は、皮膚、皮下組織、筋肉がこれらの脂肪の重みを支えていますが、加齢により、だんだんと重力に耐えられなくなり、ほうれい線やマリオネットラインが深くなってしまいます。

マリオネットライン

たるみ予防エクササイズ

たるみ予防とたるんでしまった顔を引き締める為に、顔のエクササイズをおこなって筋肉を鍛えたり、血行を促進することが効果的です。運動、筋力トレーニングを繰り返し行うことで、体の筋肉を大きく、強く出来ることと同じで、顔の筋トレも必要です。テレビをみながら、少しの休憩時間でも出来るものばかりです。少しの心がけがアンチエイジングには大きな違いになっていきます。是非習慣にしましょう。例えば、会社で休憩がてらトイレに行ったとき、手を洗ってから、たるみ予防エクササイズを必ずする、など良い習慣を身に着けられるタイミングを見つけましょう。

あいうえお体操

あいうえお体操

「あいうえお」の口の形を意識しながら発声を繰り返します。もし発声することが出来ない場所であれば、発声しているつもで、口の形を作りましょう。また、顎筋トレーニングとして、顎を上に向け、首筋を伸ばした状態で「アー」「ウー」という口の動きをすることで、顎のラインの引き締めに繋がり二重顎の改善に繋がります。

顎筋トレ

頭皮マッサージ

頭皮マッサージ

頭にはたくさんのツボがあります。頭、顔、首、全て繋がっています。顔のたるみ予防には、頭の血行を促進することが大切です。頭皮マッサージをしましょう。頭皮マッサージは5本の指を大きく開き、耳を中心にして頭部に指先を当てます。爪を立てずに、指の腹を使います。そして、頭頂部に向かって円を描くようにして押し流していきます。そうすることで、顔のたるみを引き上げ、同時に頭皮を刺激して代謝を活性化させる効果が期待できます。シャンプーをする時に、実践することは効果的です。湯の温度で血行も良くなっています。また、この頭皮マッサージには疲労回復効果もあるので、疲れが溜まっていると感じたり、目がしょぼしょぼしてきたりすると、その都度おこないましょう。

たるみ予防・改善に効果的な食事

たるみ予防食

美容と健康に食事は欠かせません。顔のたるみも例外ではなく、大きく関わっています。

食事が偏ったり、生活が不規則になると、消化吸収する力が弱まったり、血流の悪化を引き起こしやすくする為、摂取した栄養が全身に行き渡りにくくなります。その結果、肌の健康状態が悪くなり、弾性繊維であるコラーゲンの減少などを引き起こし、たるみの原因となります。

肌の材料であるタンパク質

筋肉や肌の材料となる、タンパク質の摂取は美肌生成に必須です。成人女性の一日のタンパク質推奨量は50gです。肉や魚の1人前はおよそ20gのタンパク質が含まれています。3食全てにタンパク質を摂ることを必ず意識して不足しないようにしましょう。タンパク質は体内で分解されるとアミノ酸に変換され、肌や筋肉の質を作ります。

タンパク質

肌のハリに必要なコラーゲン

コラーゲンは肌の真皮層に含まれる弾性繊維です。網目状を形成して、肌のハリを維持します。コラーゲンは肌の奥の方にある為、外からのケアよりも内からのケア、つまり食べることがとても重要になります。コラーゲンの多い食材は、鶏軟骨や魚の皮の部分など。骨付きの鶏肉をコトコト煮込んでスープごと食べたり、魚の頭のアラの部分などを汁物や薄味の煮物にして、汁ごと摂ると良いでしょう。

美肌をつくるビタミンC

血液の材料である鉄

ミネラルのひとつである「鉄」。血液の赤血球の材料の一つで、不足すると鉄欠乏性貧血などを招き、動悸、息切れ、疲労、倦怠感、肌荒れなどあらゆる不調を引き起こします。日本人の鉄摂取量は慢性的に不足していると言われています。レバー、ほうれん草、小松菜など鉄の多い食品を意識して摂ることを心がけましょう。鉄鍋を利用することも効果的です。

鉄鍋
鉄鍋

血流を促進するビタミンE

ビタミンEは抗酸化作用で知られている美容ビタミンともいわれるビタミンです。血流を促進する働きがあり、体のすみずみまで栄養や酸素を行きわたらせることで代謝が促進され、美肌効果が期待できます。オリーブオイル、アーモンド、かぼちゃ、アボカドなどに多く含まれます。

オリーブオイル

まとめ

いかがでしたか?美肌の大敵、たるみの原因と改善方法について色々見てきました。老化は誰でも起こることで、誰も止めることは出来ません。けれど、少しの心がけを続けることで、老化のスピードを緩めることはできます。自信に満ち溢れた生活を送る為にも、是非実践してみてください。

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