【肥満と病気】肥満が引き起こす疾病リスクを解説

肥満女性

著者:池上淳子
管理栄養士/美容食インストラクター
管理栄養士池上淳子

食の欧米化による疾病リスク

戦後から今日まで、日本人は欧米食の影響を強く受け、米の摂取を減少させ、おかずを増加させてきました。
その結果、脂質、動物性脂質を増大させて、動物性タンパク質をしっかり摂り、炭水化物や食物繊維等の摂取量が減少させてしまいました。
これらは、戦前、戦後にみられたタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの不足を解決するために有効ではありました。
しかし、現代にみられる極端な欧米化の食は、肥満、脂質異常症、糖尿病、動脈硬化、大腸ガン、便秘症等の生活習慣病の誘因となったことは間違いない事実です。
特に脂質の過剰摂取は、脂質異常症や動脈硬化の発症に関与していることが多くの調査、研究により明らかになっています。

参考ページ
【ダイエット】なぜ太るのか 肥満を徹底分析 

メタボリックシンドローム

内臓脂肪型肥満

腹腔内脂肪蓄積型肥満、いわゆるメタボリックシンドロームにみられるお腹に溜まっていく脂肪を抱えた肥満、内臓脂肪型肥満では門脈(腸から肝臓へ伸びている静脈で腸から吸収された栄養が通るところ)周辺に脂肪が蓄積します。

なぜ、内臓脂肪がたまるのか

内臓脂肪は溜まりやすいが燃焼しやすい特徴を持っています。

男性や閉経後の女性に多い

女性ホルモンの影響により、女性は内臓脂肪が蓄積しにくくなっています。
しかし、閉経後は内臓脂肪型肥満になるリスクがググっと増えます。

内臓脂肪が溜まる主な原因は、

「過剰栄養(食べすぎ・飲みすぎ・早食い)」&「運動不足」

食べ過ぎ

摂取と代謝のアンバランスによって起こります。
内臓脂肪は腹部の内面や、内臓を覆う腹膜(半透明の薄い膜)の表面につき、基礎代謝や運動で消化されずに余ったエネルギーを溜め込みます。
脂肪細胞は小さい球状で体内に約300億個あるといわれ、それぞれに中性脂肪(トリグリセリド)が蓄積します。
中性脂肪が過剰に増えると、その体積は3倍に膨らみ、腹部の脂肪細胞の肥大化が、腹部肥満を招きます。
例えば、体重は標準や標準以下だったとしても、腹部肥満の可能性は十分にあります。
見た目で判断できない為、知らない内に生活習慣病が進んでしまう可能性があり、注意が必要です。

内臓脂肪型肥満が引き起こす生活習慣病

メタボリックシンドロームの原因である内臓脂肪が蓄積すると、脂肪細胞が肥大・増殖し、アディポサイトカインの分泌異常が起こります。これが動脈硬化を促進し、糖尿病・高血圧・脂質異常症を発症させ、悪化させる原因とされています。

アディポサイトカインとは

内臓脂肪がたまるとアディポサイトカインという物質の分泌異常をおこします。
アディポサイトカインは本来、脂肪細胞から分泌され、脂質代謝や糖代謝を円滑にする働きの生理活性物質をいいます。
アディポサイトカインには、レプチン・アディポネクチン・TNFα・PAI-1・アンジオテンシノーゲンなどがあります。

レプチン

満腹中枢で、食欲を抑える働きがあります。
蓄えている脂肪が増加すると、レプチンの分泌が高まり食欲を低下させ、肥満を防ぎます。
しかし内臓脂肪がたまりすぎると、レプチンの分泌が過剰になっても満腹中枢が適切に反応しない状態となります。
これをレプチン抵抗性といいます。
そうなると、食べることを抑えることができず、食べ過ぎて太りやすくなります。

アディポネクチン

傷ついた血管壁の修復作用があり、動脈硬化予防や、インスリンの働きを高める作用、血圧低下作用などがあります。
内臓脂肪が増えると、アディポネクチンの分泌が減少し、動脈硬化予防効果が低下たり、インスリン抵抗性の状態を引きおこし、血糖を上昇させる作用などがあります。

TNFα(ティエヌエフアルファ)

インスリンの働きを妨げる働きがあります。
内臓脂肪が増えると分泌が高まり、インスリン抵抗性をもたらし、糖尿病を引き起こすことや、状態を悪化させる一因になります。

PAI-1(パイワン)

内臓脂肪が増えると、分泌が増加します。
血栓ができるとそれを融解させるプラスミンの働きを妨げて、血栓を大きくし、血流を悪化させる状態をつくってしまいます。
メタボリックシンドロームでは、 糖尿病 ・脂質異常症・高血圧などにより、動脈硬化が進行しますので、そこに血栓のできやすい状態が加われば、心筋梗塞や脳梗塞の危険が高まります。

アンジオテンシノーゲン

血圧を上昇させる働きのアンジオテンシンの分泌を高めます。
内臓脂肪が増えると、分泌が増加して、血圧を上昇させ、高血圧になるリスクを高めます。 血圧を上昇させる作用のアンジオテンシンの分泌を高めます

血液検査結果をほったらかしにしない!

このようにメタボリックシンドロームによって起こるアディポサイトカインの分泌異常は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などを引き起こし、直接的に動脈硬化の進行を促進するため、心臓病や脳卒中の危険を高めます。

生活習慣病は自覚症状をないまま、体内では確実に悪化へと進行します。
実際、通院や服薬がはじまると、どうなるのでしょう

対症療法でしかなく、治療は無い

血糖値が上がる→下げる働きのある薬
血圧が上がる→下げる働きのある薬・・

治ることはありません。
今の症状を出来るだけ軽減するだけで、治療薬は無いんです。
つまり出口のない通院、服薬が続きます。

時間がかかる

通院する為に、時間がかかります。

お金がかかる

受診、服薬にはお金がかかります。

副作用があってしんどい

薬には副作用が必ず、つきものです。
女性の場合、閉経期、更年期などと重なる時期になる場合が多く、日々の生活がしんどくなります。
疲労感、倦怠感、イライラ、喪失感、筋肉減少など、様々な副作用に悩まされる場合があります。

飲食に制限ができる

偏った食生活、食べ過ぎ、飲みすぎ、運動不足、ストレスなどあらゆる原因で引き起こされた生活習慣病・・比較的、自由に自身の思うように生活してきた人が、なりやすい病気です。
そういった方々は特に飲食に制限ができることを辛く感じてしまいます。
自己コントロールをすることは、強い精神が必要です。

健康であることは自分も周りの人も幸せ

このように、生活習慣病になると、辛くて、苦しい未来が待っているのです。
自覚が無いから、ある程度検査数値が悪くのは仕方ないなど、あらゆる理由付けで、改善のための取り組みを怠る方が多いですが、そうすると、未来は明るくありません。

最後に・・

長生きをしたいと思う人は少ないかもしれませんが、死ぬまで、ピンピン元気で、美味しく食事を摂って、行きたいところに出かけることが出来て、やりたいことをやることが出来る状態でいたいと誰しもが思うのではないでしょうか?

今できることがあるはずです。

口に入れる食べ物について考えてみましょう。
出来るだけ、歩きましょう

自分に向き合いましょう

参考ページ:
【美容&健康】なぜ栄養バランスが大事なのか

健康長寿

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