アメリカの肥満者の増加にはある政策があった

ローファット商品

著者:池上淳子
管理栄養士/美容食インストラクター
日本ビューティーヘルス協会 会長
池上淳子

はじめに

興味深い内容である。
2000年頃、アメリカのニューヨークへ旅行へ行ったときに、肥満者が多いことに驚いた。太りすぎて歩くことが出来ず、車いすに乗っている人もいるほど。そんな肥満者が増えたことは、アメリカのある政策が関係していたと思われる。

アメリカでの調査

1960年初めの頃、アメリカ人のBMI30以上の肥満者は13%。ところが、1980年頃から増加が始まり、99年29%、2003年35%と右肩上がりになっている。これには、国を挙げての、ある政策が関係しているらしい。

アメリカ人の肥満

心筋梗塞の予防対策

70~80年代、アメリカで深刻化していたことが、心筋梗塞の増加だった。そこで、 心筋梗塞対策として、心筋梗塞の原因とされる、飽和脂肪酸(脂質)の摂取を減らすことを、国を挙げてが大々的に実施された。

ローファット商品の流行

☆ローファット:低脂肪

ローファット、ローコレステロールなど、飽和脂肪酸の摂取を減らすためにローファット食品の開発、販売が進められた。ローファットミルク、ローファットヨーグルト、ノーファットシリアルなどの商品がスーパーに並ぶ。

ローファット

ところが、ローファット商品というのは美味しさが乏しい。脂質(油)というものはコクがあり、旨味があり美味しいものなのだ。そこで、ローファットでも美味しく食べる為に、甘さの増した商品が多くなった。つまり低脂肪にして高糖質に作られた商品が激増した。そうする事で、低脂肪でも美味しく食べることができ、食べやすさが増したのだ。

ローファットシリアルにチョコレートがたっぷりコーティングされた

ローファット お菓子

その結果・・

心筋梗塞対策の成果は成功し、国の政策は順調で、上手くいった。心筋梗塞は減少した。

ところが・・肥満と糖尿病という新たな難題を受けることになる。糖質を大量に使った商品をたくさん食べることで、肥満者、糖尿病患者が一気に増加し、万延したと言う。ソフトドリンクなどのシロップは、2000年アメリカ人一人当たり毎日92gを消費、甘味料全体の4割以上を占めている。

何かを得れば何かを失う

脂質、とくに飽和脂肪酸、トランス脂肪酸を食べ過ぎると心筋梗塞のリスクが上がる

糖質、精製された炭水化物や異性化糖の過剰摂取で糖尿病と肥満のリスクが上がる

もちろん、この政策だけがアメリカを肥満大国にした訳ではなく、ファーストフードを良く食べる食習慣、手軽に食べられるお菓子やジュースの過剰摂取、CMの影響、野菜不足などあらゆることが混雑して今に至っている。

参考文献
栄養データはこう読む 東京大学大学院教授 佐々木敏

何を食べれば人が健康でいられるか

「何かを得れば何かを失う」そんなこと、あってはならない。

ある病気が増えた→その原因を突き止める→その原因だけを取り除く→それを補う何かを食べるようになる→新たな問題が出てくる

こういったサイクルに陥らないようにし、人が健康を維持する為には、「バランスの良い食事」が必須である。

参考ページ
【美容&健康】なぜ栄養バランスが大事なのか

肥満・病気になりやすい食習慣

高カロリー食:糖質、脂質の摂り過ぎ
精製された糖質の摂り過ぎ
肉や甘い物を良く食べる偏食
夜遅い時間に食べる
お菓子やジュースをよく摂る
早食い
欠食をする
ジャンクフード、インスタント食品、ファーストフードをよく食べる など

こういった食習慣のある人、夜更かしして睡眠の質が悪い、運動習慣がない、喫煙、飲酒、慢性的なストレスなど、肥満や病気を招きやすい生活習慣、食習慣になっている可能性が高い

フライドポテト

健康を維持するための食習慣

欠食をしないで1日3食決まった時間に食べる
炭水化物、タンパク質、野菜をバランス良く食べる:一汁三菜
野菜、大豆、海藻などを良く食べる
お菓子やジュースは習慣的に食べない
よく噛んで食事時間30分以上かけて食べる
タンパク質は魚、肉、卵、大豆など色々食べる
ジャンクフード、インスタント食品、ファーストフードは習慣的に食べない など

栄養バランス食

最後に

肥満は贅沢病ではなく、貧困層の病気と言う見解もあります。簡単に安くて手に入るものは当然便利だけど、口に入れる前に一旦立ち止まってみましょう。バランスの良い食事といっても、いきなり3食全てを変えることは出来ないかもしれません。朝食だけ、夕食だけ・・でも良いのでまずは1日1食から、意識をした食習慣を取り入れることが大切です。

糖質制限ダイエット、脂質制限ダイエット、プロテインダイエット・・色々ありますが、そういったダイエット、規定食を行ったとき、決して体重だけを判断材料としないでください。筋肉量や体脂肪率を見ることも必要ですし、コレステロール値はどうか、中性脂肪値はどうか、身体の中の状態にしっかり向き合いましょう。

そして、最近疲れが良く出ていないか、すぐに息切れはしないか、風邪をひきやすくなっていないか、イライラしていないか、悲観的になっていないか、それらは全て体の赤信号です。重篤な病気になる前にご自身で意識改革をしましょう。

健康な体が無ければ、楽しむことも、働くことも、美味しいご飯を食べることも、様々なことが出来なくなります。自分で病気を作り出さないことです。自分の為に、大切な周りの方の為にも健やかな体で生活を送るようにしましょう。

関連ページ
栄養とは 3大栄養素もわかりやすく解説
【肥満と病気】肥満が引き起こす疾病リスクを解説
【ダイエット】なぜ太るのか 肥満を徹底分析