薬味の「食あたり予防」効果について

わさび

著者:池上淳子
プロフィール
日本ビューティーヘルス協会 会長
一般社団法人健康栄養支援センター 代表理事

薬味って「食あたり予防」になる?

民間伝承として、「食あたり予防や食中毒予防に良い」と言われ、受け継がれてきた、薬味の効果ですが、本当に効果はあるのでしょうか?
そこで、「梅干し」「しょうが」「しそ」「わさび」「緑茶」について、それぞれ説明します。

梅干し

梅に含まれるクエン酸・リンゴ酸などの有機酸は、殺菌:制菌作用が強く、体内に入り込んだ細菌の繁殖を抑えて胃腸内の抗菌、滅菌効果を高めてくれます。
また胃や腸に存在する悪玉菌を殺菌する働きがあるので、善玉菌が優勢になる状態にし胃腸機能を高めてくれます。
暑い季節の食べ物の腐敗防止にも有効です。

しょうが

辛み成分ジンゲロールに殺菌作用があり、薬味として生食のものと一緒に摂ると良いとされます。
また生姜を加熱してから得られるショウガオールにも殺菌作用があります。
食材の生臭さを消す働きもあります。食中毒予防だけではなく、細菌類や真菌や寄生虫などにも効果があり、風邪・気管支炎・肺炎などの予防にも良いとされます。

しそ

しそには、香り成分であるペリルアルデヒドが含まれています。
強い抗菌作用があり、食中毒予防にも効果があります。
また、ペリルアルデヒドが嗅覚の神経を刺激し、胃酸の分泌が促され、食欲が増進するといわれています。

わさび

わさびに含まれるアリルイソチオシアネートは抗菌作用が比較的強く、腸管出血大腸菌O-157などの細菌をはじめ、酵母、カビなどの抗菌効果があるとされます。
また気化した状態の方が、抗菌効果が高いという報告もあります。
食品と共に包装し、内部をアリルイソチオシアネート蒸気で満たすことで微生物の増殖を抑制するという製材が利用されています。
また刺身にわさびを塗っておくと、わさび中のアリルイソチオシアネートが魚の生臭さの原因物質であるトリメチルアミンの量が抑えられると報告もあります。

緑茶

緑茶に含まれる茶カテキンは殺菌作用、抗毒素・解毒作用があります。
多くの病原菌の細胞膜や細胞壁を破壊し抗生物質と同じような作用で殺菌します。
O-157の場合、1万個の細菌が、日常飲んでいる濃度のお茶1mlで3時間から5時間のうちに完全に殺菌されます。
食事中や食後に飲むお茶は、胃や腸管の中で食中毒原因菌の毒素に対して殺菌作用を発揮して、食中毒を予防できます。

「食あたり予防」に活用するための食べ方や使い方

梅干し

梅干しの状態でそのまま食べる。
夏場のお弁当に入れるのも効果的です。
但し、梅の食あたり予防として活用したい場合は、塩だけで漬け込んだ、酸っぱくて塩辛い、昔ながらの梅を利用してください。
食べやすくする為に、甘みのあるものや調味料に漬け込んだものなどでは、効果は無いと捉えてください。むしろ条件により、カビが生えるなどになる可能性もある為、要注意です。

しょうが

おろして、生の魚や肉の薬味として食べるか、魚の臭み取りとして煮魚を作る時にしょうがを入れると良いです。
酸素にふれると効果が弱まるので、おろして、“できるだけすぐに“食べましょう。
また皮の下に成分が多いので皮ごと食べるようにします。
生魚の多い寿司のガリに使うのは理にかなっています。

しそ

シソは生のまま、生食の魚やお肉と一緒に。
きざむとさらに効果が上昇します。

わさび

 おろして、生の魚やお肉と一緒に。

緑茶

食事中や食後に。カテキンを多く含む一番目のお茶がお勧めです。

その他、効果が期待できる食品

にんにく

にんにくに含まれる臭いの素であるアリシンに強い殺菌作用があり、胃液分泌の促進や食欲増進などの消化の働きを助ける作用もあります。
おろしたり、みじん切りにすると、よりアリシンが生成されます。

ねぎ

白い部分に含まれるネギオールが殺菌効果があります。
みじん切りにし、生の魚やお肉と一緒に。

酢の主成分である酢酸が細菌の成分を変性し死滅させ食中毒予防などに効果的といわれています。
ほとんどの菌は酢の中で10分以上は生きられないことがわかっています。
普段から酢の物を多く食べる人は、風邪や食中毒になりにくいとも言われています。
酢漬けの漬物やピクルスなど。

最後に

いかがでしたか?
昔からの言い伝えのようなことは少しずつ科学的に解明されつつあります。
先人の知恵とはやはり素晴らしいもの。
色々な知恵を使って、生き抜いてきたんだと思われます。
薬味のこういった薬効効果は魅力的ですが、味、香り、風味など私たちの食卓をワンランク上げてくれる大切な役割があります。
美味しい食事に薬味はつきものですね♪

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